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資本収益率r は、1年間に利潤、配当金、利息、貸出料等のように資本から入ってくる収入の資本
に対する割合で、経済成長率gは、1年間に給与、所得などの労働によって得られる富を前年と比
較した成長率です。

経済学者ピケティは過去200年以上のデータを分析し、
「資本収益率rは平均で年に5%程度あるが、経済成長率gは1%から2%の範囲で収まっていること
が明らかになった。このことから、経済的不平等が増していく基本的な力はr>gという不等式にま
とめることができる。」

と発表しました。すなわち、

「資産によって得られる富の方が労働によって得られる富よりも早く蓄積されやすいため、資産
金額で見たときに上位10%、1%といった位置にいる人の方がより裕福になりやすく、結果として
格差は拡大しやすい。また、蓄積された資産は子に相続され、労働者には分配されない。」

ということです。これは資本主義の特徴を簡単で明確に説明していますね。

「この格差は拡大に向かい、中産階級は消滅へと向かっている。今日の世界は、経済の大部分を
相続による富が握っている。」

この特徴を考慮すると、生まれが貧しい人が努力することで出世し裕福になれる可能性はたいへ
ん少ないことになります。

ある有名な投資家は、
「自分が寝ている時でも、お金を増やす方法を見つけられない人は、死ぬまで働くハメにな
る。」
といいます。お金持ちの勝ち組の人たちはさらに差を広げようとしているのです。
他人のためになるような仕事をしても、時間が経つと、お金の事だけを考えていた人の方が裕福
になると言うことなのでしょうか。

恐ろしい時代になりました。お金の事となると、モラルはどんどん小さくなっていきます。
そして、目の色が変わり、生き馬の目を抜くようなことを平気でやってのけるのです。

「嘘をついたとしても、人のものを取ったとしても、人が見ていなければ、または人が気づかな
ければ問題ない。嘘も方便、ちょっとの事は見逃してもらえるだろう。」

心の中で、このように言い訳をして納得したとします。
これは現在お金持ちの人も、これからお金持ちになりたいと思っている人も注意しなければなら
ない点です。

五戒を甘く見ない方がいいです。運命の神様は必ず全てを見ています。法律の上では、見過ごされ
ても、残された人生の雲行きが怪しくなり、来世にまで影響が出ます。
空の色が青いと教えられても、本当の青さを理解するのは手間がかかります。

現代社会は、お金を中心にして動いていますが、モラルが小さくなった所では、

苦悩、苦痛 > 安心、幸福

このような不等式が成り立つでしょう。

お金持ちになりたい気持ちはどなたでもお持ちでしょうが、知らないうちに、地雷を踏まないよ
うに気をつけましょう。

投稿日:2023年05月18日(木)